社団法人日本演劇興行協会
 児童俳優の舞台時間延長問題を考える
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「カーテンコールを受けさせて」
ライオンキングの児童俳優、記者会見で訴える

(社)日本外国特派員協会 特別企画委員長 渡辺晴子氏


和馬さんと司会者(筆者)

プレスクラブは4月7日夜、晩餐記者会見で「児童俳優の舞台時間延長問題を考えるパネル」を主催した。パネリストの一人、劇団四季のミュージカル「ライオンキング」の主役の子ども時代を演じる苫篠和馬さん(12歳)は「子どもは夜9時までしか出演できない。時間を延長して俳優として最後のカーテンコールを受けさせて」と内外記者たちに訴え、会場から大きな拍手を受けた。

他の四人のパネリストは元ILO(国際労働機関)事務局長補佐で児童労働ネットワーク日本代表堀内光子さん、アート、エンターテイメント関係法律問題の専門弁護士(日本・ニューヨーク州登録)で東京芸大および東京大学大学院講師の福井健策さん、ドイツ・オペラの訪日公演の演出補で通訳・翻訳家のケイコ・ヒールシャーさん、劇団四季専務取締役でプロデューサーの田中浩一さん。


パネリスト 左より、堀内、福井、ヒールシャー、田中、苫篠、渡辺(司会)

堀内さんと福井さんはそれぞれの専門分野から日本における児童俳優の現状に対する労働基準法の建前と矛盾を指摘し、専門性があり自家営業的な要素が多い児童俳優を一纏めに「労働者」として扱う役所の硬直性を指摘、子どもの教育を受ける権利、児童福祉を踏まえながら児童舞台俳優の育成と保護の必要性を論じた。ヒールシャーさんはドイツではシーズン中は大都会から小さな町までオペラが公演され、どの町でも「魔笛」や「カルメン」に出演した多数の児童俳優がカーテンコールで大人同様喝采を受けている事実を指摘。児童福祉と教育尊重の立場から「出演時間総数の制限と翌日14時間の休養を確保することで11時過ぎまで舞台出演可能」とするドイツの役所と観衆の舞台芸術に対する認識について述べた。

田中さんは児童俳優の舞台時間制限により東宝ミュージカルなど夜公演の開始を午後5時半に早めたり、劇団四季では子役を小柄な女優に替えるなど観劇時間帯への無理解と配役上の不自然を報告。ブロードウエイで評判になった「サウンド オブ ミュージック」など子どもの出番の多い演目は殆ど上演不可能とディズニー・プロダクションに話した時「日本は先進国と思っていたがUnbelievable!」とあきれられた話など披露した。

一方、労働基準法の矛盾は歌舞伎や、映画、TVドラマの児童俳優には「余人をもって替え難し」として時間オーバーを認めていること。歌舞伎界の御曹司の子役出演や光ゲンジ、モー娘のように有名人になればOKとする。

「オーディション合格以来、舞台に上がるまで一年以上稽古し、2006年からちょうど100回ヤングシンバを演じています。夜公演は9時半まで続きますが、僕は9時までに劇場を出なければなりません。公演途中でかえるのはとても淋しいです。カーテンコールはその日の達成感を感じられる時間だと思います」
有名人でないから認めないとする役所の態度に対して自分の気持ちを素直に訴えた。

更に学業への影響や友達関係を危惧した記者の質問には、ヤングシンバは6人交代制で、出番は一週間に一度、通学や友達との遊びにもほとんど影響がないと付け加えた。

日本の子どもたちが志望校を目指して夜半まで塾通いをしている現実をみている欧米アジアの特派員たちは、厚生労働省が俳優を志望する子どもたちの舞台時間を午後9時から10時に延長するのを拒んでいるのが理解できないという。
「"若年差別・ミュージカル差別"の問題点を浮彫りした」
「彼は外国プレスに対しておじけずに正々堂々と振舞った。日本人は国際社会に向かってスピーチするのが苦手だが、児童俳優の訓練は国際人への英才教育として有効かもしれない」

記者会見の話題は通常一日限りだが、プレスクラブのバーで3日以上も、子どもライオンが話題となった。

記事提供/ロゼッタ誌

 
 
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